留萌川における融雪流出は、毎年3月下旬から5月下旬にかけて発生し、4月下旬から5月上旬の期間が最盛期となっている。融雪出水の最盛期である4月、5月の流出高は、年総流出高の50%以上にも達する。この流出量へ与える影響を考慮すると、融雪流出量の把握は高水のみではなく、融雪期以後の基底流量成分に大きな影響を及ぼしていると思われ、低水管理上の面からも重要なウェートを占めるものである。本報の残雪(融雪)調査とは、従来から検討されているタンクモデルを採用した融雪流出モデルの日融雪率・融雪面積・融雪水量算定の検討を目的として実施されており、積雪水量の算出要素である積雪深・積雪密度・融雪面積等の各積雪諸量の時系列変化量を測定したものである。今回は、気象因子の代表的な要素である気温データと、これらの積雪水量変化を検討し、融雪現象特性を捕えようとした。また、流出以前の基礎量となる積雪水量を適確に推定することは融雪流出モデルの精度向上において重要なポイントになる。本報は、実測水文資料を用いる融雪流出モデル設定を前提条件とし、まず、今回は、雨雪量観測地点における積雪水量変化を、上記調査で得られた融雪特性を基に、雨雪量月報データを用いて算出し、実測水量変化との適合性を検証したものであり、今後、融雪水量算定モデルの設定が可能かどうかを検討したものである。 |