従来から用いられてきた良質のコンクリート用骨材の供給量は年々減少しており、骨材採取地の転換と骨材の種類の多様化などにともなって、骨材の品質は全般に低下の傾向にあると言われている。コンクリート用骨材の品質は、土木学会のコンクリート標準示方書、JIS A 5004および、JIS A 5005などに規程されているが、上述のような骨材事情のもとでは、従来、使用されなかった規格を外れる骨材についても、その使用方法を工夫することによって利用できるものは、有効に活用していくことが必要とされる。また、コンクリート工事の規模によっては、経済性から現地で供給される骨材を使用することが、まず、第一に要求される場合もある。以上のような理由から、当研究室では、従来より物理的性質の劣る骨材の利用法について検討を重ねてきたが、その一環としてモンモリロナイトを含んだ吸水率の大きい低品質骨材を対象として、これを用いたコンクリートの性質を明らかにした上で、その利用の可能性について検討することとした。一般的に、モンモリロナイトなどの粘土鉱物を含む骨材は、比重が小さく、吸水率の大きいこと、乾燥時の収縮量が大きいことが問題とされる。このため、今回、これらの骨材を用いたコンクリートの性質として、強度、凍結融解抵抗性のみでなく、特に乾燥収縮による長さ変化と乾燥湿潤くり返しに対する抵抗性についても、試験を行って検討したので、その結果について報告する。 |