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 道央地区、V型コンクリート柵渠排水路の構造について-底柵板の破損原因と対策工法について(第1報)-

作成年度 1986年度
論文名 道央地区、V型コンクリート柵渠排水路の構造について-底柵板の破損原因と対策工法について(第1報)-
論文名(和訳)
論文副題 昭和60年度(F-5)
発表会 昭和60年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和60年度技術研究発表会
発表年月日 1986/08/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
中村昭
蛯子利夫
猿川義正
田辺博昭
田中金一
抄録
本地区は、石狩平野の低平地に広がる過湿田の改良と水田汎用化を図るために、総合かんぱい事業の一環として排水路の整備を実施している。地区の大部分は、泥炭、シルトに代表される軟弱地盤帯であり、排水路安定工法の一つとしてV型柵渠工法が取り入れられ、昭和56年以降、60年度までに延6条10.5㎞が施工されている。昭和59年春に前年施工したV型柵渠工法の底柵板に亀裂・折曲現象が一部発生していることが確認されたので、この原因究明のために昭和59年度より調査を開始した。底柵板の破損は、春の融雪後に確認されており、その原因は積雪に何らかの関係があるものと考えられたため、冬期間の積雪状況と融雪後の底柵板の破損実態調査を行うとともに、試験区間をもうけて施工し、その経過を調査した。破損原因として、①融雪時に水路内が中空になり、スノープリッチの落下に伴う衝撃荷重による破損、又、②積雪荷重による破損等が考えられるが、これまでの調査から現段階ではある部分について柵板強度を上回る積雪荷重が推測される。これはヒーピングに対応させた底板(引張筋上側配置)に破損が多く、上載荷重を考慮した底柵板(引張筋下側配置)では、前者の半分程度の破損(試験路線)と少なくなっていること。又、観測によると、水路内の積雪は融雪時には両側壁側から溶け始め、その結果、積雪荷重は逆三角形で水路内中心部に集中する傾向が見られる。このことは、破損柵板が水路中心部の2~3枚に集中していることからも裏付けられる。以上の傾向から、現時点では底柵板の破損原因は柵板上部の積雪上荷重によるものであると推測され、現在の設計では上載荷重は無視されているが、今後、考慮が必要だと思われる。底柵板の上載荷重の大きさ、加わり方については、現在実測中であるのでその結果をまたなければならないが、今日までの調査から当面の底柵板に対する破損防止対策について述べ、第一報とする。
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