国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 斜網地域における風害と営農

作成年度 1986年度
論文名 斜網地域における風害と営農
論文名(和訳)
論文副題 昭和60年度(F-12)
発表会 昭和60年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和60年度技術研究発表会
発表年月日 1986/08/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
泉原明
下田晃三
駒井明
片山利幸
抄録
斜網地域は、北海道東部、オホーツク海と、藻琴山~斜里岳~海別岳に連なる山脈とに挟まれた網走市の西方~斜里町に及ぶ一帯である。当地域の地形は、オホーツク海に面する砂丘と、その直後から南方へ広くひろがる平地や湿地、そして山脈に連なるゆるやかな丘陵地帯の3つに大別される。砂丘は、強い海風のため南側に砂防防風林がある他はほとんど土地利用はなされていない。平野部は、かつて湿地であった所であるが、現在は、明渠排水、暗渠排水、客土等の事業効果により見渡す限りの一大農産物生産地帯となっている。丘陵地帯はかつて山麓から続く原生林であったが、木材の需要が増すにつれ、比較的生育の早い落葉松がとって替わった。しかし、建築資材の変化や住宅ブームの鎮静化、安い海外材の導入などにより半ば放置状態となった。皮肉なことにこれらと並行して機械の大型化とそれに伴なう農地の規模拡大が求められるようになり、それらの林地は改良山成工等の農地造成により大型機械で耕作可能な農地として生まれ変わってきている。そして現在では平野部と並ぶ重要な生産の場となっている。現在、当地域の農業はその特性を生かした、ビート、小麦、ジャガイモの三作物の輪作体系を中心とした高度な畑作営農を展開している。そしてさらに、より安定した、より豊かな農業を目ざし改良山成工等による経営規模の拡大、畑かんの導入がなされている。しかしながら、このような努力の成果も、4月下旬~6月中旬にほぼ毎年起きる「風害」により、大きく減殺されることがある。本論文は、地域の農業経営の大きな不安定要因となっている風害について、そのメカニズム及び対策を、現地調査や内外の論文等により鮮明及び紹介し、地域農業発展の一助とするため報告するものである。
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