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 小流域河川の計画高水流量の検討

作成年度 1987年度
論文名 小流域河川の計画高水流量の検討
論文名(和訳)
論文副題 昭和61年度(D-2)
発表会 昭和61年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和61年度技術研究発表会
発表年月日 1987/06/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
岡島隆雄
沖富士雄
佐藤洋一
抄録
従来、計画高水流量を決定する手法として、それぞれの河川の特性に応じ一般に貯留関数法、単位図法及び流出関数法等が用いられており、小流域河川等洪水の貯留を考慮する必要がない河川においては、合理式法が広く用いられている現状にある。しかし、現在最も広く用いられている手法としての木村の貯留関数法は、パラメータの物理的評価に難点がある。つまり、パラメータと流域特性値(斜面長、勾配、粗度etc)及び降雨特性値(ピーク雨量、平均降雨強度、継続時間etc)との関係又は効果が明確でない点が指摘されている。又、合理式法は洪水の最大流量を計算するためのものであり、降雨による流出波形が表現出来ない。又、流出量の計算値が式に含まれる各定数の決定の仕方に依存する度合が大きいため普遍性を欠く点があげられる。流出モデルの選定にあたっては、①そのモデルによる推定値が実測とよく合うこと。②理解しやすく無理のないモデルであること。③計算が簡単であること等を十分考慮する必要がある。以上のことから、計画高水流量の算定にあたり普遍性と整合性をもたせるため、土木試験所河川研究室で開発された小流域に対する流出モデルの有効性を検証した等価粗度法(Kinematic wave法)を貯留関数法に集中化し、貯留関数モデルパラメータを流域地形量と降雨特性値で表現する手法が最も有効と考え選定した。本モデルは、小流域(既ね600k㎡程度まで)の特に大中規模洪水を解析対象としているので、洪水資料選定基準をピーク比流量0.5m3/s/k㎡以上であれば実用上十分な精度で再現出来、パーソナルコンピュータを用い簡易に短時間で計算が出来るという利点があり、数多くの既往洪水の比較検討が短期間に容易に行うことが出来る。なお、流域は斜面と河道より構成されており、山腹斜面は雨量を流量に変換する場であり、河道は斜面からの流出量を合成、運搬する場である。小流域では斜面からの流出が表面流によって生起すると考えてよいため、河道効果を無視しても十分対応が可能である。本検討では、釧路開発建設部管内の指定河川である音別川、和天別川、標津川を対象に計画高水流量を決定した実用例を紹介する。
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