近年、コンピューターの著しい発達によって、いろいろな分野でかなりの精度によるシミュレーションが可能となった。いろいろな現象が全て数式で表現出きるわけではないので、シミュレートされた結果と現実の現象とは違いが出るのはあたりまえであるが、今後起こるであろう現象の予測、あるいは起こった現象の原因の究明などには、すばらしい材料を提供してくれることになる。河川工学の分野では、対象とする降雨、流出、河床変動・・・etcなど、どれも、非常に複雑な要因、素因から成る現象で、シミュレートする対象としては、むずかしい分野であるといってよい。しかし、現場においてミニコンクラスのコンピューターが普及された事、テレメータデータの整備など不完全ながらも洪水予測などで、シミュレートと呼ばれる程度の事が出来るようになってきた。それでもまだその緒に立ったばかりで、今後の技術向上が望まれる。今後の課題としては・・・・・・①流域情報の整備、②情報収集、分析、演算を受けもつハード機器の性能up及びソフトプログラムの開発、③自然現象を説明出来る豊富な情報・演算速度のスピード化を背景とした理論の開発・・・・・・などがある。本論では、洪水予測、洪水再現計算で、培った技術を基に、改修効果の把握を第1目標に、ある程度の汎用性をもたせた洪水のシミュレーションを試みたものである。 |