釧路空港は、道東地域の拠点空港として昭和36年に台地頭部を造成して建設されたものであり、昭和48年に整備された小型ジェット機規模の1,800m滑走路を有する第二種空港として供用されてきた。しかし航空輸送需要の増大と航空機の大型化に対処するため、大型ジェット機対応の施設に拡張整備することとなり、昭和56年度から空港整備を本格的に実施している。滑走路は500m延長して2,300mとするものであるが、その延長方向はいずれも傾斜地となっており、高盛土による用地造成が不可欠な条件であった。延長方向は用地条件から北側となり、これに伴う地形的条件から盛土高約65m、盛土量約200万m3に及ぶ大規模土工が必要となった。高盛土は、傾斜面に突出する空港工事としては極めて例の少ない特異な形状であり、また土質条件や地下水状況等も良好なものではなく、加えて当地域は地震の多発地帯であることなど、厳しい建設条件となった。従って、その調査・設計・施工について慎重な検討と有効適切な対策を講じる必要があるとの認識から、昭和55年度に釧路空港高盛土技術調査委員会を設立して技術的諸問題の解決に当ってきた。本報告は、その高盛土建設に関する経緯とその成果について取りまとめ報告するものである。 |