二股地すべりは一般国道239号、苫前町奥霧立の二股地区において、昭和51年度の道路改良工事に伴なう切土により発生したもので、地すべりの規模は幅100m、長さ200m、厚さは最大18m程度である。昭和52、53年度に踏査、地形測量、ボーリングなどの調査とパイプひずみ計、水位計の観測を実施し、昭和55年度には、対策工事として排土工を行ったが新たな地すべりが発生したため、昭和55~58年度にかけてすべり面調査のためボーリング、原位置試験および各種の計測による追加調査を実施して対策工の検討を行なった。対策工は昭和58年度に地下水排除を目的として、集水井、遮水工を実施し、昭和59年度は鋼管杭による抑止杭を施工した。その中でも、曲げ杭として設計された抑止杭の施工までの過程、各種の計測結果から杭の挙動について中間報告が昭和59年度第27回技術研究発表会で報告された。今回は昭和60、61年度と引き続き抑止杭の計測を行なった結果から杭の挙動について、報告する。また、昭和61年10月に一般国道239号霧立峠の地すべり地帯の点検調査を行ったので、工事施工後の経時変化等、その概要と抑止杭の問題点について報告するものである。 |