| 水制は水流の挙動を積極的に制御するための工作物であり、流速の抑制(減速効果)、水制の制御(水刎効果)をもって流路の固定、護岸の負担軽減、土砂沈でんの誘致、導流などの多角的な機能を果たす。又、工法的にも比較的簡易で、低廉なコストをもって施工でき、かつ自然の力(水流)を最大限に利用した効果をうみだす極めて有用な作工物と言える。このような水制工は、古来より多く用いられており、近年、その効用が再度要視されてきている。しかしながら、水制に関する研究は現在に至るまであまり多くの例がなく、また現場における施工諸元の決定においては殆どにおいて過去の調査や経験的な背景から行なわれているのが現状である。以上のようなことを踏まえ、水制工の効果を把握するには、流れや河床変動が水制近傍でいかなる挙動を示すか、又、その影響が河道全体にいかなる形で及ぶかという汎用的かつ定量的な検討が必要と思われる。又、施工上の問題から言えば、施工位置や長さ、高さ、間隔、角度等最適諸元の決定に向けての検討もなされねばならない。本報告では、水制の効果の中で主に水制が水流に及ぼす影響を流れの2次元的動向から把握することを試みた。尚、以上の検討は、道内で水制工を用いて改修を行っている代表的河川である札内川をモデルとし、そこで得られた実測データを加味しつつ、水理実験や数値シミュレーションをもって行なった。 |
