尻別川下流部では、低水路肩から堤防までの幅が狭く、かつ、大湾曲部をつらねる河道である。このような蛇行河川においては、縦断形状とともに平面形・横断形からの安定河道の検討が重要である。とりわけ、洪水時における湾曲部の流況の把握、局所洗掘探を予測することは、尻別川の河川計画上・管理上きわめて重要である。しかし、縦断的には61年の検討で概ね良いと判断されたものの、実河道に現れている湾曲部の局所洗掘深、横断的洗掘・堆積を再現、または将来予測をするモデルを必要としていた。本報告では、土木試験所河川研究室で開発された2次元浅水流モデルによる流況解析及び河床変動計算手法を、尻別川下流部蛇行区間に適用し湾曲部の流れや局所洗掘について検討するものである。計算モデルの検証は昭和54年断面を基にした平均化断面による再現及び、昭和62年4月融雪洪水を対象に洪水流解析データーと計算値の比較を行い、尻別川(実河川の湾曲河道)へ適用した場合の結果と問題点を整理した。また、現況流下能力の約1,500M3/Sを3,000M3/S迄に改修するため将来河道は現況河道に比べ大きく変化するが、この場合の河道状況や流況を予測し、その結果における対策工法等の検討を行うものである。 |