旭川市は"かわの街"として市内を流下する数多くの川をまちづくりの基盤のひとつとして重要なものと位置づけしており、広大な河川空間の利用、あるいは水辺を生かしたまちづくりの気運が近年とくに高まってきている。このようななかで、市街地を貫流する石狩川・牛朱別川に認められる都市排水による河川の汚濁が、水辺環境上の問題として顕在化してきている。あわせて、石狩川流域は、下流域の水源域としての役割をも担っており、水量の確保とともに水質の保全が強く求められる地域である。このため、河川水質上問題のある区間についてこれを改善し、水環境の利用に寄与することが緊急な課題となっている。現在、当建設部として、そのための流水保全対策を検討中であり、その一環として、河川に流入するBOD濃度の高い都市排水を対象に浄化方式についての実験的検討を行ったところである。浄化方式としては、礫間浄化的な手法を念頭においているが、従来の礫による手法と、近年開発されている網状骨格体を用いた場合を比較検討し、さらに、木炭、活性炭による臭気の除去効果についても実験的に検討した。本報告は、これら実験結果をとりまとめ、都市河川における新たな浄化方式の提言を行うものである。 |