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 開発事業の高付加価値化のための一研究-事業付加価値の把握と公開コンペ手法の導入-

作成年度 1987年度
論文名 開発事業の高付加価値化のための一研究-事業付加価値の把握と公開コンペ手法の導入-
論文名(和訳)
論文副題 昭和62年度(共-1)
発表会 昭和62年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和62年度技術研究発表会
発表年月日 1988/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
安田吾郎
吉田晃啓
寺元博昭
抄録
北海道開発事業においては、北海道の開発を計画的に推進し、国民経済の発展に寄与することを目的として、道路・河川・農業・港湾・空港等の基盤整備事業が推進されている。事業の実施に当たっては、公共事業として効率的に高い価値を生み出すこと、すなわち、創出する効用の最大化が求められている。そのような観点から見ると、効用を判断する基準をどのようにとるかという点が問題になる。開発事業の狙いには、水害の解消や時間距離の短縮といった直接的な便益を生み出すことはもちろん、産業や住宅立地への波及効果等の間接的な効果を生み出すことも含まれている。また、直接的な効果のうちでも、街路樹による道路周辺環境の向上や、河川空間内でのレクリエーション空間の創出など、事業の本来目的ではなくとも事業全体の効用を評価する際には含めるべきポイントがある。しかし、現在のところ、事業の主目的の達成による効用の評価は各事業毎に方法が確立されていても、派生的に得られる効用については定性的な評価にとどまるのが一般である。その原因は、時間的・空間的に広がりを持つ波及効果の把握は困難であること、そして環境の向上等の非経済的要素の効用の定量化が困難であることなどにあると考えられる。しかし、派生的な効果への価値観が高まってくると、主目的達成と派生的効果の獲得の間にはトレードオフの関係も生じてくる。その際に、定性的な比較しかできないとすれば、主目的達成による効用の最大化に目的がおかれ、派生的な効用までも含めた事業全体の効用の最大化が図れないことになる恐れもある。そこで、本論文においては、派生的効果の評価方法の基礎的研究を行うことを第1のテーマとする。さらに、第2のテーマとして、積極的に派生的効果を高めるための手段としての設計競技(コンペ)手法についての検討を行う。この2つのテーマを通じて、高い派生的効果を持つ事業をオーソライズされた形で行うための基礎を作り、事業の高付加価値化に貢献することが本論文の目的である。
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