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 円柱部材に作用する波力について

作成年度 1987年度
論文名 円柱部材に作用する波力について
論文名(和訳)
論文副題 昭和62年度(港-8)
発表会 昭和62年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和62年度技術研究発表会
発表年月日 1988/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
角野隆
水野雄三
谷野賢二
平澤充成
抄録
従来厳しい波浪条件が制約となって利用密度が低かった外洋域を積極的に活用していくためには、大波浪条件下における海洋構造物建設技術の確立が第一に必要である。このような背景から港湾研究室では、科学技術振興調整費による「海洋構造物による海洋空間等の有効利用に関する研究」の一環として、「大波浪海域における海洋構造物の実海域実験研究」を実施した。本報は、この研究の重点項目のひとつで、既往の大波浪条件下における観測値が少ない海洋構造物の円柱部材に作用する波力データの解析結果について報告し、さらに波浪の方向分散性が波力におよぼす影響についても若干の検討を加えるものである。波力等に関するデータの取得は、留萌市黄金岬沖の水深7m地点に建設された実海域実験構造物において実施した。昭和59年度~61年度に取得したデータのゼロダウンクロス法による有義波高・有義波周期の分布があるが、取得データには有義波高で4mを越えるものもいくつか含まれており、今回のデータから、沖合の大波浪海域に対応する高レイノルズ数領域における波力特性に関する検討を行うことが可能である。なお、今回解析の対象としたのは、昭和61年度の冬期に取得された48データのうち有義波高の大きい上位14データ(2487波)である。これらのデータの有義波高の範囲は2.47~4.52m、有義波周期は6.49~9.64secである。部材作用波力は全体波力と局所波力の両面から検討した。このうち、全体波力は実験構造物の脚の部分にひずみ計を取り付けて計測した。また、局所波力については鉛直円柱部材に全方向波力計を取り付けて計測することとした。この波力計は、今回の実海域実験のために開発されたもので、これにより円柱部材(直径0.508m)の水面下1m~3mの部分に作用する波力の合力と作用方向を測定することができる。作用波力は、波力計の上下端に各4個直交して取り付けられた特殊合金製起歪柱の軸方向ひずみから測定されるせん断力の、上下2点間の差として求めることができる。なお全方向波力計は完成後に種々の性能試験を実施し、方向分解能、直線性および応答性が十分良好であることが確認されている。
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