本トンネルは、一般国道5号小樽市の表玄関として戦後まもない昭和23年に竣功し、供用後37年の歳月を経過している。近年増大する交通量、車輌の大型化に対し幅員の狭小や、高さ規制を行なっている現状に加え、内空断面におけるクラウン部の変位や覆工の亀裂、さらには漏水結氷など老朽化が進行し、早急な対策が必要なことから、本事業に着手したものである。当部では昭和52年に新平磯トンネル(上り車線)に着手し、昭和57年に開通となり、現在はセパレート交通となっている。現在の交通(下り車線)を新平磯トンネルに移行することにより、本トンネルの全面改築が可能となった。改築予備設計調査として、トンネルゆるみ高調査、内空断面測定、クラック調査、覆工コンクリート強度試験、巻厚調査等の資料を基に、設計施工の条件としている。掘削における仮設工法として、仮設上留開削工法案、アーチ補強支保工案、ロックボルト補強案、エアーモルタル填充案、等を比較検討し、トンネル直線部(B-2工法)は、アーチ補強支保工案、曲線部(B-1工法)はエアーモルタル填充案としている。本工事は現在、B-1工法の1部を施工中であるが、本報告は工法選定の概要及びB-2、B-1工法の施工方法を中心に、報告するものである。 |