吹雪は、北海道の幹線道路における冬期の通行止め要因の9割にまで達している。また東北、北陸でも近年、路面凍結や吹きだまりと吹雪による視程障害が同時に発生したことによる多重衝突事故がおきている。それぞれの地域的特徴を含みながらも吹雪による交通障害は、北海道だけでなく、東北、北陸でも道路管理上の重要課題となりつつある。こうした吹雪による交通障害対策して、防雪棚を利用することが多いが、従来は、危険なため供用中の道路上における防雪棚の設置効果の測定は事実上不可能だった。視程障害も吹きだまりも風で運ばれる飛雪粒子によるものであり、この飛雪粒子を単位時間、単位断面積当たり積算した量である飛雪量(kg・m-2・s-1)の正確な測定は、防雪対策を検討する上での基本量といえる。吹雪時の飛雪量を測定する手段は、飛雪粒子を捕捉し重さを測る方法と飛雪粒子の数と大きさに対応する光の減衰特性を使う方法の2種類に分けられる。現在、供用中の道路上で使える小型吹雪計が存在しないため、後者に属するSchmidt型センサー(Snow Particle Counter、SPC)を使い、解析装置を含む車載型吹雪計を開発した。他の吹雪計との比較測定を行い、信頼度を確かめた上で、吹雪頻発地帯の国道231号、337号、5号などで防雪棚の設置効果を測定した結果を報告する。 |