国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 茶内地区における農用地開発事業の効果について

作成年度 1987年度
論文名 茶内地区における農用地開発事業の効果について
論文名(和訳)
論文副題 昭和62年度(農-7)
発表会 昭和62年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和62年度技術研究発表会
発表年月日 1988/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
道見孝征
木村光春
堀之内泰志
抄録
釧路地域においては、昭和40年代から各種の農業基盤整備事業が盛に実施されており、これらが地域の発展に多大の貢献を果たしているものと推察される。本研究は、国営茶内地区総合農地開発事業を始め、国営草地、道営農地、団体営草地等の諸農用地開発事業が広く実施されてきた浜中町を対象として、これら事業による農用地開発が当該町村にもたらした諸効果を定量的に推測したものである。農用地開発事業は、周知のように、いわゆる申請事業であって、その多くは、直接的には受益農家個々の経営規模の拡大に寄与するものであるが、それらの集積が、地域に次のような様々な波及効果をもたらすものと考えられる。●地域農業の振興効果農用地開発事業による地域の農用地面積の拡大は、上記のように、直接的には受益農家の経営規模拡大に寄与するものであるが、例えば、"農用地開発事業が行なわれなかったとした場合に、受益農家が規模拡大用地として求めたであろう離農跡地等が、事業が実施されたことによって、非受益農家の拡大用地に振り向けられる"といったように経営規模拡大効果は非受益農家にも波及する。また、農用地開発事業による地域の農用地面積の拡大は、見方を換えると、地域の農業人口収容力の拡大であり、受益農家だけでなく、地域の農家の離農を思い止まらせる。そして、これらは、地域全体の農業の活性化に寄与し、地域の農業生産の増大と農業生産所得の向上をもたらし、また、ひいては、国の食糧の低廉且つ安定的供給にも寄与する。●関連産業の振興等地域社会経済への効果地域の農業生産の増大は、特に加工原料生産の多い地域においては、原料供給を増加させて加工産業の拡大に寄与し、また、農用地面積の拡大とそれに伴う農業生産活動の活発化は、肥料・飼料等農業生産資材需要の増大を生み、資材生産業の拡大に寄与する。もっとも、これら加工産業や資材生産業は、各地域(各市町村)に万遍なく立地するわけではないが、農畜産物供給あるいは生産資材需要の増大は、少なくとも、地域に所在するこれらの流通にかかわる諸産業の拡大に寄与する。また、農用地開発による農家戸数減少の軽減や農家所得の向上は、前記の関連産業の拡大に伴う就業人口の増加等とともに、生活消費物資需要の増大をもたらし、これら物資の流通産業(商店等)の拡大に寄与し、さらに、これらは各種サービス産業の拡大を生む。さらにまた、農業及び各種関連産業の拡大に伴う地域人口の増加(減少の軽減)や地域所得の向上は地方財政収入の増加をもたらし、それは、各種行政サービスの向上につながり、生活あるいは生産条件の改善といった形で地域住民に還元されることとなる。本研究においては、これら諸効果の指標として、次の項目を採り上げ、それぞれ、効果を推計した。地域農業振興効果:耕草地面積、農家戸数、基幹農業従事者数、乳用牛飼養頭数、 農用機械(トラクター)保有数、農 業生産額、農業生産所得、農協事業規模地域社会経済への波及効果:総人口、産業区分別就業人口、産業区分別町民所得、町財政(経常的な収入及び支 出)なお、本報告においては、紙面の都合上、農協事業規模及び町財政にかかわる記述を省略した。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.