積雪寒冷地域の道路では冬期において降積雪や凍結によって交通障害などが引き起こされる場合がある。これら冬期交通安全確保のために、除排雪・凍結防止対策などの路面管理が行われているが、近年のスパイクタイヤ問題と相まって、なお一層重要視されてきている。これら除雪・凍結防止対策を分類すると2つの方法に大別される。ひとつは現在、北海道で最も一般的に行われている機械や人力による除排雪作業で、もう1つは消雪パイプや流雪溝などのような消・融雪施設によって融雪し、凍結を防ぐ方法である。消・融雪施設にも様々な種類があり、そのひとつとして施設ではないが融雪・凍結防止剤を路面に散布することにより融雪・凍結防止を図る方法がある。諸外国では古くから利用されてきたが、日本では近年まで使用例は少かった。特に多雪厳寒地域である北海道においては、その使用例はさらに少い。しかしながら、過去(昭和40年代)において融雪・凍結防止剤の散布試験が行われた経緯もあるが、当時は現在と除雪レベルが大きく異なり、融雪・凍結防止というより除雪補助の意味が強かった。そこで本文では融雪・凍結防止剤について様々な調査を行い。あわせて実際の国道上において行った融雪・凍結防止剤の散布試験結果などについて述べ、北海道における融雪・凍結防止剤使用の可能性などについて検討する際の資料とすることを目的に取りまとめた。 |