国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 内水を考慮した氾濫システムについて(第2報)

作成年度 1981年度
論文名 内水を考慮した氾濫システムについて(第2報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和55年度(D-12)
発表会 昭和55年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和55年度技術研究発表会
発表年月日 1981/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
恒松浩
村端克己
抄録
我国はその国土条件により、主要な社会・経済活動が河川氾濫原である沖積地に著しく集中しており、そのため水害による被害は甚大であり、それ故に治水事業の重要性もよく認識されているところである。(国土の約10%を占める36,500k㎡に人口の約1/2が集中し、石狩川流域では流域面積の約13%にあたる約1,920k㎡に人口の約2/3が集積している。)この河川氾濫区域における(流域内、他流域との比較において)適正な治水安全度の確保は、河川の計画流量の確率規模と、(計画流量と一連のものとして計画された)築堤等の治水施設の構造物としての安全度を指標として実施されてきた。しかし、治水事業の進捗と、河川氾濫区域ないでの人口・資産の集積、土地利用の高度化に伴い、氾濫区域内の浸水に関する安全度の検討が必要となってきている。即ち、河道の治水安全度だけでは評価しえない、洪水時の越水破堤後の氾濫流動状況、浸水範囲、その対処策、更には流域開発、排水路整備等による浸水状況の変化とその対策について、推定、把握することが必要となっている。これは別の見方をすれば、計画規模を超過した洪水に対する検討の一環とも考えられ、破堤を想定して、内水・外水による氾濫水理を検討しようとするものである。石狩川流域は名実ともに北海道の枢要となっているが、本格的治水事業の着手から70年を経過し、暫定高ではあるが連続堤の概成にまで至った現在、基本的な「河道の」治水安全度は確保されたと考えられる。この時点で、中下流域に広がる約1,500k㎡にも及ぶ内水域における内水浸水状況、超過洪水等による破堤を想定した場合の外水浸水状況、流域条件の変化した場合の浸水状況等の解析・検討及びその対策の検討、即ち、「流域の」治水安全度を確保していくための検討が必要となっている。これは。広義の治水事業に相当すると考えられ、今後の治水事業を適切かつ有効に実施していくうえで、その意義は高まっていくものとみられる。本報告は、この石狩川下流域を検討対象区域として、内水・外水による氾濫流動状況を細部にわたって解析できるシミュレーション・システムを作成した検討内容と、想定洪水に対する内外水氾濫状況のシミュレーション計算結果についてとりまとめたものである。
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