近年における化学混和剤の発達は目覚しく、多岐にわたる目的に沿った混和剤が開発され、市販されている。なかでも単位水量を減じ、ワーカビリチー、強度、耐久性などコンクリートの諸性質を改善する効果をもつAE減水剤は広く一般に使用されているが、その種類も多数あり、性能が明らかとなっていないものも少なくない。これら混和剤の性能判定基準は、土木学会、建築学会、材料学会などで、それぞれ独自の規格を制定しているのが現状であり、選択に際しては目的に応じて試験を行って、判定をする必要があることから、統一的な規格化への要望も強まっている。当所においても、昭和54年度より各種減水剤を対象としてその性能を確認するとともに、適切な使用のための資料を得ることを目的とした試験を土木学会減水剤規格に従って行い、遅延形および促進形減水剤については、試験結果を前回報告した。本報告は、これに引続いて実施した標準形減水剤8種の規格試験結果と減水剤の選択に際して使用セメントとの適合性、とくに減水効果、空気連行性能などが問題になることから、各種セメントを用いたコンクリートの細孔構造と凍結融解作用に対する抵抗性に及ぼす影響を明らかにするために行った試験の結果に関するものである。 |