| 消波ブロック被覆堤の歴史はまだ浅いため、数多くの実験、研究の成果が発表されているにもかゝわらず、実際の設計に当って種々の問題に直面するのが現状である。このようなことから、土木試験所港湾研究室では、昭和53年度から、消波ブロック被覆堤に関し種々の水理実験を実施してきた。現在まで消波ブロック重量の算定に関し、ガラス水路を用いた断面実験からその安定重量はおおむね、波高の3乗に比例すること、実用設計上周期を考慮しなくてもよいこと、および、一般に使用される法勾配(1:1.5前後)の場合、cotα(ただし、αは水平面なす角)にほぼ比例することなどがわかり消波ブロック被覆堤においてもハドソン式の適用が妥当なことを確めている。また、消波ブロック被覆堤の滑動実験から重複波領域における消波ブロックの波力減殺効果についても明らかになっている。消波ブロック被覆堤や傾斜堤に関する斜め入射波の水理実験は、過去に行われているものが極めて少なく、当研究室では、消波ブロック被覆堤の水理実験の一環として、昭和54年、55年度の2ヶ年に亘り、斜め入射波に関する規則波の実験を行ってきた。よって、その実験結果から明らかになった斜め入射波に関する消波ブロックの安定性および反射波特性について報告するものである。 |
