国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 流れによる波高変化について

作成年度 1981年度
論文名 流れによる波高変化について
論文名(和訳)
論文副題 昭和55年度(F-4)
発表会 昭和55年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和55年度技術研究発表会
発表年月日 1981/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
得永道彦
抄録
波浪と流れは、どこの沿岸でも共存する現象であるが、一般的には、その流れは波浪、風によって生ずる沿岸流であり、その流速も1ノット(0.5m/s)以下が多い。したがって、港の計画において、この流れと波浪の干渉が大きな要因をしめることはまれで、主として波浪に対しての検討がなされる。しかし、流れを無視しえない個所、たとえば流速の大きな河口、潮汐流の大きな沿岸においては、波浪と流れの干渉によって、予期しえぬ波高増大の現象、さらにはこのことによる底質の攪乱をまねき港の利用にとって少なからず支障となることが懸念される。実際面ではこの現象に対して、波との直接干渉をさけるため、港口を主波向に対してある角度をもたせたり、底質の攪乱をやわらげるために水深の深い個所まで港口をもっていく方法がとられているが、このようにしても、水深の大なることによる波浪エネルギーの増加は、かえって底質の移動をひきおこし、防波堤の延長と推砂は、ある地点までは相反する関係になりかねない。本報文は、この波高変化を波浪に対してある角度をもって、流れがさかのぼる場合、沿う場合について試算し、例として過去に行なわれた実験値と比較してみた。波浪と流れの干渉によって、どの程度波高増大がおこりうるかを考察する場合に参考となれば幸いである。
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