道路は最も普遍的かつ基礎的な交通施設であり、広域的な交流を可能とし、経済社会活動を支え、地域社会の形成に寄与するとともに、通勤通学買物等の日常生活を確保する生活基盤として、最も基本的な役割を担っている。また道路は公共空間として、良好な居住環境を形成するとともに、防災空間や各種都市施設を収容するスペース等極めて多種多様な機能も有している。一方最近の社会情勢をみると、石油の不安定な供給によるエネルギー問題、財政再建に伴う公共事業の圧縮、70年代に解決されずに持ち越された環境問題等道路整備をとりまく環境には、非常に厳しいものがある。このような情勢に対処しつつ、道路整備を円滑かつ積極的に推進していくためには国民の求めている道路とは何かを考え、道路整備の必要性を広くPRし、社会的な合意を形成していくことが不可欠となっている。本調査は、このような観点から道路の果すべき機能に着目し、現在の道路整備の水準を評価するとともに、地域総合環境圏構想における道路網の整備のあり方を明らかにし、併せて現在道路が整備されていないことによる問題点、道路の整備効果等を検討し、道路整備の必要性について社会的合意を得るための基礎資料とすることを目的としている。なお調査は55年度から3ヵ年の計画で進める予定である。 |