近年の農地開発では開発適地が年々奥地化し、現地へ行く交通なども不便になり、従来の調査方法では莫大な経費と時間を要するようになってきた。このような状況のもとで、調査の省力化が望まれ地球探査衛生ランドサットデータを利用した、リモート・センシング技術による調査が注目されてきた。本研究は科学技術庁・特別調査研究促進費による「ランドサット等人工衛星データ利用総合実証研究」を受けて、国営総合農地開発事業実施中のワイス地区を対象地区として行ったものである。研究の目的は、R・S技術の土地改良事業調査・計画手法として適否を検討することにある。そこで実際にR・S技術を用いて、農牧適地選定の基礎資料となる土地分級図、土壌図、植生図、土地利用現況図を作成し、その判別効率、グランドトルース・データとの整合性を検討した。土壌図を作成するにあたって問題となるのは、対象地域が裸地でない限り土壌に関する情報を直接得ることができないことである。したがって地表被覆物をパラメータとして解析する手法を開発しなければならないが、本研究ではL・Sデータのみを用いて、比演算処理やパラメータの設定などをせずに解析した。ために、結果は不充分ではあるが、参考資料として一応の成果を得ることができた。 |