RCD工法は、単位セメント量が120kg/m3程度と少なく、超硬練りのコンクリートをダンプトラック等で運搬し、ブルドーザ等で撒き出し、振動ローラで締固めて造るダムコンクリートの新しい施工技術であるが、この工法は、我が国ではコンクリートダムの合理化施工法の一つとして、建設省を中心に開発が進められている。ダム建設工事の増大とともに、従来のような好条件のダムサイトが枯渇しつつあるのが現状であるが、美利河ダムにおいても例外ではなく、コンクリート打設設備の施工計画の検討において、ダムサイトの地形、及び堤体形状等から従来のクレーン打設工法では設備が高く、これに比べて、ダンプトラック等の汎用性機械を用いる事によって、急速施工及び合理化施工が可能であり、経済的なRCD工法の採用を決定している。RCD工法によるダムの施工は、すでに北陸地建大川ダムのマット部、中国地建島地川の本体等で施工されているが、これらの現場試験施工及び施工実績の資料をもとに、研究成果をとりまとめて「RCD工法技術指針(案)」が作成されている。しかし、各ダムにおいて、設計施工条件を異にするため細部については、各ダムで現場試験施工を実施し、コンクリートの施工性、品質等を確認してから本施工報を実施している。美利河ダムでは、「RCD工法技術指針(案)」を参考として、最大骨材80mm、層厚75cm、セメントは中庸熱ポルトランドセメントにフライアッシュ30%を混入する。セメント使用量はC+F=120kg/m3からさらに貧配合とする。C+F=100kg/m3への挑戦も課題とし、美利河ダムRCDコンクリートの施工性、品質等を検討し、昭和59年6月からの本体打設開始に先だち、昭和58年10月から11月にかけて現地に試験ヤードを設け、現場試験施工を実施した。いかにこの結果の試験成果をその考察について紹介する。 |