十勝川水系では、現在105箇所の樋門管が設置されており、流域開発等による流出量の増大、又、築堤整備による断面不足、延長不足などの理由により半数以上の樋門管の改築・伸長が計画されており、さらに相当数の新設計画もある。これら既設樋門管の計画流量および断面は、比較的簡便な流出計算と管内流速から決定されているが、その根拠は設置年代によっても異なっており、合理的かつ普遍性のある決定法の確立が急がれるところである。一本報文は、十勝川水系の樋関管諸元、内水域諸元などについて調査検討することによりその特性を把握し問題点を整理するとともに、水系として合理的かつ整合性のとれた内水処理計画へ反映しうる資料の作成を目指すものであり、今年度はその第2報である。前報においては、現況樋門の諸特性を把握するとともに、15箇所の内水域をとりだして、内水域の諸特性、流出特性、昭和56年8月洪水における内水被害状況などを明らかにし、内水域の開発などによって樋門地点での流出量が変化している可能性を指摘した。第2報では、改築樋門管を主体とした60内水域について、土地利用などの変遷状況を把握整理し、これら内水域の特性を考慮した流出計算を行って新計画流量を概定し現計画流量と比較検討するとともに、土地利用変化、河川改修が流出形態に及ぼす影響についてのケーススタディを実施し問題点を整理した。 |