昭和59年の渇水は日本のほぼ全土で発生し、一部の地域では給水制限が実施されるなどの被害がおきた。本道においては、給水制限には至らなかったものの発電、農水については取水制限を実施した。渇水の原因は降雨の不足によるものであるが、水利用が高度に発達した今日の社会ではその管理も高度なものが求められており、正常流量を含む将来の水需要の予測と永管理体制の確立が急務である。石狩川水系における異常な渇水の発生頻度は、他の都府県の河川と比較するとその数は少なく、最近では昭和48年、51年に渇水が起きているが、被害は小さいものに治まっている。しかし、ひとたび大渇水が発生すれば流域内に広がる広大な水田、農耕、酪農地帯に与える影響とその被害には計りしれないものがある。常に適正な低水管理を行うためには、長期間の精度の高い降雨予測が確立されれば可能であるが現時点ではこの予測は難しく、渇水が発生した場合には、渇水シミュレーションや過去の渇水事例をもとに状況判断を行って管理せざるをえない。この為、シミュレーションモデルの精度向上を推し進めるとともに、渇水が発生した場合にはその渇水の分析を行う必要がある。本報告では、今年の気象、水象、渇水に対する河川特性と流量時系列を利用した渇水の予測法について報告するものである。 |