国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 冬季流量観測の精度向上について

作成年度 2002年度
論文名 冬季流量観測の精度向上について
論文名(和訳)
論文副題 平成14年度(河-24)
発表会 平成14年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成14年度技術研究発表会
発表年月日 2003/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
鈴木優一
渡邉康玄
桑村貴志
抄録
北海道内には国が管理する河川の中に211箇所の水位流量観測所がある。これらの観測所の内約70%の箇所は冬期間完全結氷すること、あるいは、冬期間は夏期に比べ流量変化が少ないこと等を理由に、従来から結氷時の流量観測手法の改良が試みられてきた。しかし、具体的に改良方法の採用には至らず、年間を通して同じ観測方法で河川流量観測が実施されている。現在、河川流量観測は、大部分の観測所で年間24回または36回の低水流量観測が実施されている。12月から3月までの冬期間においても、月2回または3回の頻度で行われている。河川流量観測での流速の観測方法は、河川横断方向に流速を測定するための測線を等間隔で設定し、各測線において水深の2割と8割に相当する測点で流速を測定している。測点での流速測定時間は20秒以上と定められているが、測定時間は観測所ごとに異なり、20秒、60秒、120秒の3種類が採用されており、下流に位置する観測所ほど測定時間が長くなっている。この測定時間は1981年に夏期の流量観測結果について、乱流特性を考慮して定められた。それ以降夏期間、冬期間とも同じ測定時間が用いられ、現在に至っている。その河川を代表するような重要な観測所は、ほとんど下流に位置しているため流速測定が120秒間行われている。しかし、河川が結氷している冬期間は一年の中で河川流量の最も少なくなる時期であり、流量変化も夏期間に比べ比較的安定しており、夏期間よりも観測時間が短くても問題が無い場合が多いと考えられる。このため本論文では、実際の結氷河川において、水深方向の流速を詳細に現地調査する精密流量観測を実施し、測定時間と測点の水深を変化させた場合を比較して、精度が良く経済的な方法を検討した。また、近年水深の浅いところでも測定可能なADCPが登場しており、結氷河川での適用性についても同時に検討した。
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