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 稚内港北防波堤ドームの耐震補強工事-愛され続けるドームを未来に-

作成年度 2002年度
論文名 稚内港北防波堤ドームの耐震補強工事-愛され続けるドームを未来に-
論文名(和訳)
論文副題 平成14年度(共-20)
発表会 平成14年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成14年度技術研究発表会
発表年月日 2003/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
長谷川恵一
磯田一喜代
八栁敦
抄録
稚内市は、厳しい北の自然の中で漁業と酪農と観光の町として歴史を築いてきました。背後には宗谷丘陵がせまり、宗谷湾に沿った海辺の平坦地と港の埋立地に町が形成されてきました。稚内港は明治初期に漁場として拓かれましたが、日露戦争で樺太を領有してから太平洋戦争敗戦まで、稚泊(稚内~コルサコフ)及び稚斗(稚内~ネベリスク)の樺太航路発着点として発展してきました。現在は、北海道最北端にある重要港湾で道北地方の物流拠点として発展しております。この稚内港には、昭和6年から11年にかけて建設された巨大で不思議な安心空間ともいえる北防波堤ドームがあります。北防波堤ドームは港を守る北防波堤の中心部分に位置し、鉄筋コンクリート構造物でありながらボールト(半円筒形の天井)式の回廊になっており、その長さは427m、高さ11.4m、幅15.2mもあります。このドームのデザインが世界に類のない独特の構造であることから、地域の景観構成要素として見なされるだけでなく、それ自体が地域性を反映するシンボルでもあり、個性ある町づくりの大きな資産となりえるといえましょう。したがって、北防波堤ドームの耐震補強工事を進めるにあたり、ドームの構造的な特性や高度な建設技術だけでなく、生い立ちやこれまでの歴史および樺太航路に刻み込まれた先人の思いを偲ばせる歴史的な遺産として原形を保存することを基本に、支柱部の耐震補強工法の検討や周辺環境と調和のとれた質感に配慮した材料の選定を行ったものであります。私たちは本工事を通じて、先輩技術者の情熱を受け継いで町づくりに貢献するとともに、ドームを次世代に誇りを持って伝えることが我々の使命であると考えております。
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