わが国において、昨年3月に「地球温暖化対策推進大綱」が策定されるなど、京都議定書の目標達成(1990年と比べ2010年に温室効果ガス6%削減)に向けて取り組みが進められ、地球温暖化等の地球環境問題が喫緊の課題となっている。建築分野における地球環境への影響は非常に大きく、特に建物の運用段階における環境負荷低減対策は地球温暖化対策に大きく寄与すると言われており、既存建物についての環境負荷低減対策が重要になっている。そこで国土交通省大臣官房官庁営繕部では、「官庁施設の環境配慮診断・改修計画指針」(平成12年12月)に基づいて適正なグリーン化技術(環境負荷低減技術)の採用の検討(グリーン診断)を行っており、グリーン改修(官庁施設の環境配慮改修)を順次すすめて行く予定である。このような背景のもと、札幌第1合同庁舎においてグリーン改修の一環として、「太陽光発電の導入」「在/不在照明制御の導入」「既存誘導灯の改修(高輝度誘導灯化)」の工事を実施した。本研究は、これらの導入のための検討及び環境負荷低減効果(消費エネルギー削減量、CO2排出削減量)の試算並びにその有効性を検討し、今後の計画・設計基準に反映させるものである。 |