近年、循環型社会形成推進のための法体系の整備に伴い、廃棄物の再利活用に対する取り組みが促進されつつある。廃ガラスに関しては、平成9年に容器包装リサイクル法が施行されたことによって、使用済みガラスびんの回収と再利用が急速に進んでいるものの、全国では、まだ、65万トン/年にも及ぶ量が未回収のまま、埋め立てなど廃棄処理をされている(平成12年データ、ガラスびんリサイクル促進協議会資料)。現在、回収されたガラスは、びん原料、グラスウール原料として使われている他、タイルや道路用骨材としての利用が始まったところである。本研究は、廃ガラスの再利用技術開発の一環として、廃ガラスの低温溶融性に着目し、炭酸塩などを加え、焼成することによって、軽量発泡材料(いわゆる泡ガラス)を作製し、内装用建材としての利用を図るものである。泡ガラスの製造については、米国の製品Pittsburgh Corning Corporationに代表されるように、これまで多くの研究がなされている。基本となる原理は、ガラス微粉末中に炭酸塩やカーボンなどの発泡剤を添加し、850℃付近のガラスの溶融温度近傍で加熱発泡させた後、冷却するものである。それらの用途としては、不燃性、軽量断熱性などの性質を活かし、建築用断熱材などへの利用が図られている。また、最近では、土木用資材としての利用も検討されている。筆者らは、発泡剤として炭酸カルシウムを用いた泡ガラスの基礎的製造条件について、すでに報告しているが、本報告では、内装用吸音材としての製造条件などについて検討した。 |