室蘭港の北西部に位置する臨港道路「陣屋崎守線」は、本港の中で最大規模を誇る崎守ふ頭の取扱貨物を背後圏に流動させる幹線道路である。また、近隣住民の生活基盤としても重要な役割を果たしているが、供用から30年以上経過する道路であることや、近年ふ頭から発生する貨物量の増大から、大型車の交通が増加していることが起因して、本線の劣化が著しくなってきている。室蘭港港湾管理者(以下、管理者)によって、ほぼ毎年部分的な補修を行っているが、劣化の進行を止めるには至らず、現在の輸送形態に対応した改良が必要になってきている。補修にあたっての舗装の評価は、一般的に目視や現地を開削して調査することから、多大な労力や費用を消費するうえに、調査地点が限定されるなどの問題がある。本報告は、長年供用されている実舗装において、非破壊で大量にデータを収集して評価できる手法として確立されているFWD(Falling Weight Deflectmeter)試験を実施することで、現状における舗装構造の健全度評価を行い、計画的かつ効率的な改良計画についてとりまとめた。また、路盤、凍上抑制層、及び路床において小型FWD試験を行い、弾性係数やCBRの推定を行い、FWD試験結果との比較を試みた。 |