国内の物流においては、食料品、日用品あるいは半製品等の比較的商品価値の高い貨物は、ユニット貨物としてトラックで輸送されている。このユニット貨物の輸送においては、輸送先が遠距離あるいは海を隔てた地域にある場合は、輸送経路の一部区間に、フェリー、RORO船などの船舶や鉄道コンテナ等による輸送を取り入れた複合一貫輸送を行っている。このようなユニット貨物の複合一貫輸送は、輸送モード転換の際にコンテナやシャーシから貨物を出し入れする必要がなく、効率的且つ信頼性の高い輸送が可能となり、また、トラックドライバーの同乗を必要としないことから、人件費の節約等にも有効である。さらには、平成9年に採択された京都議定書に代表されるように、国内外における環境問題への関心も高まっており、貨物トラックと比較して排出量のCO2少ないフェリーやRORO船による輸送への転換が政策的にも注目されている。北海道においては、貨物トラックのみによる道外間との輸送が不可能であることから、道外発着のユニット貨物の輸送は複合一貫輸送により行われているが、近年、運賃や航路の開設および廃止等に関する規制緩和により、フェリーやRORO船の航路体系はめまぐるしく変化しており、これらの変化が北海道の経済に大きな影響を与えていると考えられる。本報文は、北海道経済に直接影響を及ぼす国内物流の方向性を探るための基礎資料として、北海道と道外を結ぶ内貿ユニット定期航路について、貨物輸送能力およびこれまでの航路変遷の状況等を踏まえ、その機能について考察を行うものである。 |