従来より埋立地の地盤改良は埋立後に実施されるケースが一般的である。しかしながら、埋立地において埋立後に予想される液状化などに対しての地盤改良などの対策を考慮した上で埋立を行うことによって、全体としての工期の短縮や工費の縮減が図られる可能性がある。最近では、液状化する可能性のある地盤では何らかの液状化対策がとられるが、埋立材料として液状化しない良質な埋立材料を入手することが困難な場合もある。このような場合、埋立材料を人工的に事前に液状化しない新材料に処理して埋立を行うことが考えられ、埋立後の地盤改良に要する費用や工期を勘案すると、事前に対策を行った方が有利なケースも多い。事前混合処理工法は、土砂に少量の安定剤(セメント等)と分離防止剤を事前に添加・混合し、新材料に改良した後、所定の場所に運搬・投入して安定した地盤を造成する工法である。この工法によって埋立られた地盤は、液状化防止、支持力増大および土圧軽減などに効果がある。しかしながら、埋立土砂の粒度、含水比および密度などの物性によっては強度発現に違いが見られ、これらの埋立土砂の物性に着目した強度への影響については十分な検討がされていない。特に事前混合処理工法で扱う土砂は砂分の含有量が80%以上の砂質土を対象にしており、砂質土の細粒分の含有量によっては強度発現に影響を与えることが考えられる。本報告では、埋立土砂の細粒分含有量に着目し、安定剤としてのセメント量を変化させた場合での改良土の配合および強度特性について室内試験結果より考察する。 |