釧路空港は、海岸から約5km、市街地から北西に約20kmの丘陵地にある第2種空港である。昭和36年7月に滑走路1,200mで供用を開始し、その後、空港需要の増大及び航空機の大型化に対応するため、昭和48年11月に1,800m、昭和59年12月に2,100m、平成元年12月に2,300m、平成12年10月に2,500mへと滑走路の延長を実施してきた。釧路空港PALS進入灯橋梁は、昭和59年の滑走路延長に伴い昭和55、56年度に道路橋示方書に基づき設計された既設橋である。その後、平成7年1月に発生した兵庫県南部地震を契機に平成8年12月道路橋示方書が改訂された。その改訂の要旨は、①橋の供用期間中に発生する確率が高い地震動(レベル1地震動)に対しては健全性を損なうことなく、また橋の供用期間中に発生する確率は低いが大きな強度をもつ地震動(レベル2地震動)に対しては致命的な被害を防止する。②レベル2地震動としては、発生頻度が低いプレート境界型の大規模な地震による地震動(タイプⅠの地震動)と平成7年兵庫県南部地震のように発生頻度が極めて低い内陸直下型地震による地震動(タイプⅡの地震動)が規定された。道路橋示方書の改訂を受け、平成11年度に地震応答解析による照査を行った結果、標準波タイプⅡ地震動に対して上部・下部工とも大幅な応力超過を起こしており、地震時における安全性を確保するため耐震構造による改良が必要となった。 |