平成11~13年度版北海道観光の概況では、平成11年の北海道観光産業の経済効果は12,163億円であり、観光は北海道の主幹産業の一つであることがわかる。また平成12年度観光入込道外客596万人、そのうち72万人がレンタカーを利用して観光している。加えて観光入込の道内客は4,266万人であり、自家用車利用を考慮すると、さらに多くの観光目的道路利用が行われていることが推測される。このようにドライブ観光が盛んな北海道であるが、冬期には積雪寒冷地特有の道路事象が発生し、吹雪による視界不良やつるつる路面の発生、平野部と山間地域との道路気象の大きな差異などが発生する。さらに北海道では主要都市間の距離が本州に比較して非常に長く、長距離の移動を強いられる場合が多いという地理的特徴も存在する。このような背景から、北海道でのインターネット道路情報提供においては、長距離のドライブ観光情報や冬期の道路情報など、北海道特有の情報提供により交通事故の軽減や道路を活用した観光振興を、ソフト面から支援する必要がある。北海道開発土木研究所では、北海道内の主要な道路管理者(北海道開発局、北海道、札幌市、日本道路公団北海道支社)の道路情報化の関係者で組織する「北海道道路情報化研究会」監修の、北海道道路情報総合案内実験サイト「北の道ナビ」を平成11年7月に立ち上げ、道路利用者のニーズ調査、インターネット道路情報提供が道路の安全、効率、快適性の向上に及ぼす影響の検討などを行っている。「北の道ナビ」は各道路管理者の枠を越えたシームレスな情報提供を行い、利用者ニーズをフレキシブルに反映した情報提供を行っている。「北の道ナビ」のアクセス数については、観光シーズンや台風、大雪など時には顕著にアクセスが延びていると共に、通年のアクセスも開設以来着実に増加しており、平成14年度4月から平成15年1月6日では日平均1,019アクセスになっている。また、「北の道ナビ」ではユーザーからの声を反映し、北海道内主要都市間の距離と時間検索が可能なサイトを設置した。これは、標準的な夏期の走行時間を元に、高速道路利用または一般道のみと、時間優先または最短距離優先かをそれぞれ選択可能としている。本論文では、冬期道路の問題や長距離移動での交通事故、ドライブ観光と地域振興など、北海道が抱える問題に対し、インターネットを活用した道路や道路関連情報提供がソフト面から支援対策として、どの程度の効果がみとめられるかを検証するため、「北の道ナビ」での情報提供に対する満足度や有効性、距離と時間検索の利用者ニーズ分析を行ったのでここに報告する。 |