北海道には火山灰が広く分布しており、建設工事を行う場合火山灰に遭遇することが多く、工事に際して前もって火山灰の工学的性質を把握することは重要である。北海道の火山灰は、他地域の火山灰と比較して土粒子の密度の下限値が低いこと、自然含水比の幅が大きいこと、コンシステンシー限界の幅が大きいことなどの物理的な特徴があり性質が多様である。締固め曲線においても、平滑で明確な最大乾燥密度が得られない場合が多く、これらの火山灰は締固め度による盛土の品質管理を行うことができない。北海道内の工事では、このような材料を盛土材料とする場合の品質管理が定められている。しかし、締固め曲線の形状から、どのような方法により盛土を管理するかは、現場技術者の判断にゆだねられており、この判定に苦慮しているのが現状である。そこで、北海道の火山灰の物性値からどのような施工管理を行うかを判定できれば、円滑な施工が期待できる。本報告では、盛土の施工管理方法の選定を目的として火山灰の締固め特性を明らかにするとともに、火山灰の物理的特性と締固め曲線の形状を検討した。その結果、土粒子の密度、自然含水比、コンシステンシー限界などが、火山灰の締固め曲線の形状に影響を与えることがわかったのでこれらをまとめた。 |