立入防止柵は、高規格幹線道路に人や動物が立入ることを防止し、交通の安全を確保すること、及び道路敷地等が不法に占拠されることを未然に防止することを目的としたものである。従来より一般的に用いられている立入防止柵は、金網タイプ・有刺鉄線タイプ・格子網タイプに大別できるが、これらはいずれも鋼製である。鋼製の立入防止柵は。特に山間地等において景観を損ねるおそれがある。また、積雪量の多い地域においては鉄線の破断や胴縁のタワミなど機能の低下が発生している。一方、近年森林環境の保全がクローズアップされている中で間伐された木材の利用促進が求められており、グリーン法の特定調達品にも指定され、本省及び林野庁からその利用の協力を求められているところである。このような背景から、「人と環境にやさしい」木材の道路事業への積極的な導入を図るため木製立入防止柵を考案し、旭川紋別自動車道において平成12年度より実施している。しかしながら、その材質が木材であることから、経年変化による強度低下や木材の腐朽が懸念される。そのため、設計においてもこれらを考慮した寸法・規格とし、平成12年度の施工時に無処理を含めて環境にやさしい比較的新しい防腐処理を数種類行った。平成13年度にはコスト縮減も考慮し、間伐材の強度試験を基に寸法・規格を検討し、さらに平成14年度に経年変化による強度試験と各種の防腐効果の検証も行った。本論文では、これらの各調査結果に基づき、木製立入防止柵の有効性について報告するものである。 |