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 製糖廃棄物を利用した農畜産用舗装材の開発

作成年度 2002年度
論文名 製糖廃棄物を利用した農畜産用舗装材の開発
論文名(和訳)
論文副題 平成14年度(農-9)
発表会 平成14年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成14年度技術研究発表会
発表年月日 2003/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
勝世敬一
堀川弘善
板橋孝至
抄録
北海道における牛の飼育頭数は、乳用牛・肉用牛併せて約128万頭と全国の3分の1近くを占めている。しかも農家一戸あたりの飼育頭数が増加傾向にあるため、糞尿による牛舎パドックなどの泥ねい化や、糞尿の河川への流出が大きな問題となっている。そのため、泥ねい化防止の方策としてパドックの舗装化が図られている。一方、北海道では砂糖原料であるてん菜の畑作地帯が酪農・畜産地帯と隣接して分布しており、8カ所の製糖工場がある。製糖工程では年間約25~30万トンの石灰脱水汚泥(ライムケーキ)が発生している。ライムケーキは古くから土壌の酸度矯正剤(農地還元)として用いられており、平成10年度には全体量の約30%が有効利用されている。しかし、残りの60~70%は産業廃棄物として埋立処分されており、その有効利用技術の開発が急務となっている。ライムケーキの再資源化率を高めるために、これまでいくつかの委員会による検討や、てん菜製糖業界による肥料化の研究、焼成による製糖工程での再利用、などさまざまな方法が検討されてきたが、実用化に至っていないのが現状である。著者らは、ライムケーキの有効利用を図るとともに、牛舎パドック等の酪農施設に適した舗装材料を開発することを目的として検討してきた。従来これらの用途に用いられてきた舗装にはコンクリート舗装、アスファルト舗装、CAI工法、土壌固化材などがあるが、それぞれ一長一短があって、コストが高い、牛が滑りやすく転倒事故を起こしやすい、耐久性に難点がある、などの欠点が指摘されている。本研究ではこれらの欠点を克服できる材料・工法の開発を目標とした。 配合試験の結果、本研究ではライムケーキ、副資材(火山灰等)、セメント系固化材の3種類を配合することにより目的にあった物性を得られることが分かった。特に強度については除糞作業によって滑りやすくなるのを防ぐため、凍害を受けない範囲で低く抑えることとし、5MPaを目標とした。工法は簡略化するために30cm厚1層のみの構造とし、路上混合法およびプラント混合法を検討した。これまで路上混合法で6カ所、プラント混合法で8カ所の試験施工を行い、実用化に向けて基本的な見通しを得ることができた。
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