現在実用されているロータリ除雪車は、過去において色々な原理機構を駆使し、開発改良を重ね長所、短所の特徴の中からさらに作業性と操作性の向上を目的に部分的な幾多の改良を加え、また工法的にも拡幅除雪および吹き溜り処理作業を主体に考慮しながら、作業効率の向上に努めてきた経緯がある。しかし、最近道路事情および社会情勢等の変化により、ロータリ除雪車に要求される性能等も変わってきつつある。ロータリ除雪機械のシステムを全般的に再検討し、各システムの効率化を図り、ひいては、動力の有効使用を図ることにより総合作業効率を高めることを目的に、昭和56年度から58年度の3ヶ年で調査試験を実施した。昭和56年度は、各種ロータリ除雪機械の機構調査、ロータリ除雪車(200PS級)の消費動力の測定試験、各種変速機の調査等を行なった。昭和57年度は、ロータリ除雪車の能力、除雪装置形状等の傾向調査、オーガ・プロワ回転数比等を変えた場合のロータリ除雪車(200PS級)消費動力測定試験および除雪装置無段変速機の基本設計を行なった。昭和58年度は油圧-機械式伝動装置をロータリ除雪車(200PS級)に搭載し、その性能調査および自動制御試験を行なった。本報告は、第17専門委員会で実施した内容を報告するものである。 |