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 河相と河道構造計画に関する研究(第1報)

作成年度 1982年度
論文名 河相と河道構造計画に関する研究(第1報)
論文名(和訳)
論文副題 昭和56年度(D-2)
発表会 昭和56年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和56年度技術研究発表会
発表年月日 1982/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
抄録
河は時間と共に常に変化している。山地から土砂を運搬して扇状地を造り、中間地を蛇行し、河口でデルタを形成してきたような長時間スケールの変化、人間の手が加わり、堤防が築かれ、上流部にダムが建設されるようになって以降の中時間スケールの変化、1洪水中の河床変動、流速変動などの短時間スケールの変化、河川は一時もとどまることを知らない。安芸咬一はその主著「河相論」の中で、河川を次のようにとらえ、河相研究の意義について述べている。「著者は、河川を常に生長しつつある有機体と考えたい。河川は絶えず変化しつつ永遠の安定せる世界へと不断の歩みを続けているのである。その生長の如何なる過程にあるかということによって、それぞれの特殊性を示しているものであり、著者はその特殊性を解析することにより、そのうちに含まれている実相を探究し、それによって河川そのものの普遍的な真の姿を把握しようと試みたのである。…」ここで「河相」という言葉の意味を考えておこう。同じく安芸咬一著の河相論によれば、河相とはあるがままの河の姿であるとし、河道においては流れに相応した河床が生じ、これは常に変化しているものと把えられている。また最近の論文の中で須賀は河川を次の4特性から把握しようとしている。(a)河川のスケール(流域面積、河道延長、平均的な堤防間隔と低水流路幅および洪水流量等)(b)地理地形区分と河道特性量(山地河道、扇状地河道、中間地河道、緩流・感潮またはデルタ河道、 および勾配、平均的な河道蛇行、単複横断面形状等の特性ならびに河床材料の粒度とその構成等)(c)時間変化量(流出土砂量および流量などに関連する理象の結果としての堤内堤外地盤高の差、 河道変遷、合流点変動、砂礫堆または砂州の変動、河床高の上昇・低下過程およびそれらの間欠特性等)(d)その他(堰、床固、護岸、水制、橋脚等の構造物、河道整正や砂利採取等の人工要素、植林や砂防、ダム、水利用形態、河川敷の利用形態、流域の開発状況と河川改修の程度等)このように、河相は1つの指標でとらえられるものではなく、やはり「あるがままの河の姿」として総合的に把握していくのが適切であろう。河川には河相があり、それは常に変化している。その中で我々が求めているのは治水上の安全性であり、また河道そのものの安定である。この安全性、安定性を確保するためには各河川の河相を十分にとらえ、これに適合する諸方策をとることが重要である。このために我々は河道の平面形、縦断形、横断形等の河道計画を検討し、また河道構造物計画を立案する。これらの河道計画、河道構造物計画、また橋脚等のように河道に影響を及ぼすすべての構造物を含めて我々はこれを河道構造計画と呼ぶ。河道構造計画の目的が治水上の安全性、河道の安全性の確保にあることはいうまでもない。
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