一般国道5号小樽市張碓地内道路改良外1連工事は、拡幅を伴う線形改良工事であるが、地形的な制約から沢部に橋りょうが架設されることになり、橋りょう取付部擁壁の基礎形式を検討した際に、基礎地盤の支持力が十分得られず、深礎工法等の大規模な基礎が必要であることが判明し、工期も大巾にかかることからテールアルメ盛土工法が採用されることになった。テールアルメ盛土工法は、1972年にフランスから日本に特許導入があって以来、本州方面では既に多くの施工例があるが、北海道では、1975年に一般国道12号旭川市神居古潭地内における道路改良工事において仮設として採用されたのが最初である。しかし、同工法は擁壁工法に比べると柔な構造であり、基礎が簡易であること、さらに、本道における施工実績の稀少なことからおこるデータの不足、とくに、凍上・凍結に起因する種々の挙動に対し十分な検討がおこなわれていないなど、工法選定に対しての不安要素もあるところから、同工法の普及がおくれているものと考えられる。このような背景から、当該箇所のテールアルメ盛土工法の施工にあたっては、多種、観測計器を埋設して、設計値と実測値との比較を行ない、現行設計法の妥当性について検討するとともに、冬期間の厳しい気象条件下における凍上・凍結による変状について調査し、設計、施工に際して留意すべき事項を検討することとした。本報告は、観測中の各種データの一部をとりまとめたものである。 |