国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

論文・刊行物検索

詳細情報

 三国橋(山岳部橋梁)の橋梁計画について

作成年度 1982年度
論文名 三国橋(山岳部橋梁)の橋梁計画について
論文名(和訳)
論文副題 昭和56年度(C-4)
発表会 昭和56年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 昭和56年度技術研究発表会
発表年月日 1982/10/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
西村泰弘
井上源
今井哲志
里輝政
房川秀人
抄録
一般国道273号は、網走管内紋別市と十勝管内上士幌町を結び、一部一般国道39号と重複した路線で、路線の大部分は大雪山国立公園を南北に縦断して道内でも有数の観光ルートである。本路線は、昭和44年に道々と町道などが合併し国道に昇格しだもので、道北と道東を結ぶ幹線道路であるが、道内でも屈指の積雪寒冷地のだめ冬期閉鎖されており、早急の整備が望まれている。三国橋は、この路線の大雪ダム上流13km程に位置し、昭和45年に施工された橋長20 mの合成単純鋼板桁である。本橋は、ダム上流のユニイシカリ沢に架設されており、上流部にはユニ石狩岳、音更山、三国山などからの沢が幾つか流れている。昭和56年8月の記録的な豪雨時には、全道的に多大な被害を生じたが、この三国橋付近も、この豪雨により、甚大な被害を被った。豪雨による洪水流は、三国橋桁下を出水による土砂で閉塞し、前後の取付道路を欠壊させ、下流の道路を崩壊するとともに、0.9km下の新生橋付近にも被害を与えた。このため一般国道273号は、1カ月以上もの間通行不能となり、道民に多大な影響を与えた。これは、土砂の流出する山岳部の橋渠において、流水に対する設計はしているものの、その流下能力に土石流とそれによる土砂の堆積を考慮していない点に原因がある。この土石流自体の解明はまだ初期の段階であり、これを橋梁計画に取り入れることには困難な点が多い。しかし、三国橋上流には、大量の不安定土砂量が堆積しており、今後も同様の土砂流出が予想され、この土石流を考慮した橋架設計が必要となった。したがって、本橋では今回の災害後、土石流を考慮した設計を行ない、橋長20mから橋長106 mの橋渠に架換えをすることになった。本報告では、土石流を考慮した新三国橋の橋梁計画の概要を示すとともに、上川管内の類似した例を取り上げて、土石流発生区域での橋梁計画の参考資料としだい。
本文表示
このサイトで提供される情報には、PDFファイルが使われています。PDFファイルをご覧頂くにはAdobeReaderが必要です、「Get AdobeReader」をクリックしてダウンロードしてください。 AdobeReaderダウンロード
ページの先頭へ

この画面を閉じる

© 2023 Civil Engineering Research Institute for Cold Region, All rights reserved.