江差港は、函館の西方約50kmにあり、日本海に面する檜山支庁の南部に位置し、北部は乙部町、東部は厚沢部町、南部は上ノ題町とそれぞれに隣接し、農林、水産、鉱業など広範囲に及ぶ豊富な未開発資源を持つ10町をその背後地に持っており、この地域における開発、生産及び消費にわたる物資の集約基地として、檜山経済圏に重要な役割を果している。その中でも、本港における水産物取扱量は近年4,000~5,000tを記録しているが、今後沿岸資源の開発や新たな漁場開発などと相まって、増加の傾向にあり、あわせて漁船の近代化、大型化の傾向にある。しかし、本港漁港区における係留施設は-4.0m物揚場よりなく、漁船の大型化に対応できない状況にあるため、これを-4.5m岸壁に改良しあわせて泊地も-4.5mに増深し、漁港区の機能充実を図るものである。この工事報告では、岩壁改良に伴う-4.5m泊地の岩盤浚渫実施に当り、泊地箇所から約500m離れた位置の鴎島のすぐ近くに江差町のシンボル瓶子岩(漁民の神様)が不安定に立っており、この倒壊が心配され、又この付近に漁協の冷蔵庫及び重要文化財指定の建物、病院などがあり、発破工法はとれずできるだけ無振動工法について検討しなければならない。以上の問題を踏えて、各種工法を検討し、できるだけ無振動な工法によって工事を実施した経過を述べるものである。 |