白鳥新道は、一般国道37号のバイパスとして室蘭圏道路綱整備上の重要な位置付として計画されたものである。明治以来、重工業と港湾の都市として発展してきた室蘭市は、絵鞆半島部の蘭西地区から始まった市街地が、丘陵地が多く平地に乏しいという地形から、次第に蘭東地区へと伸び、更に蘭北地区へと白鳥湾を抱えてU字型に広がりを続けてきている。その間の幹線道路として一般国道36号、37号が白鳥湾に沿って半円状に延びているが 都市構造上の問題として、行政管理機能、流通管理機能、商業等の配置の大半が絵鞆半島(蘭西港湾、工業、業務地区)に集中し、住宅地、新規工業立地は室蘭港の北部(蘭北の工業、居住地区)に配置されていることから非効率な幹線綱による蘭西地区の都市機能の低下、更には、港湾機能の低下が懸念されている。このような背景から蘭西~蘭北間の湾口ルート(白鳥新道)についてもすでに、旧くから諸氏の提言を受けてきた。昭和26年元北海道開発庁事務次官猪瀬寧雄氏(当時室蘭開発建設部長)が室蘭の湾口の地形等から湾口大橋の架橋建設を提言されたことにはじまる。また昭和37年現北海道知事堂垣内尚弘氏(当時室蘭開発建設部長)が孝蘭市青少年科学館の模型に白鳥大橋を加えることを提案し室蘭市はこの模型を製作表示した。その後の急激な高度経済成長による都市機能の拡大とともに公的機関による技術的調査が意欲的に推進されその中で1)港湾を中心として、多核的に配置されている業務地、商業地、工業地、住宅地を有機的に連絡。2)蘭西都心部と蘭北新市街地や伊達市方面との時間、距離の短縮による蘭西地区の広域的な都市機 能の向上3)港湾工業地区および蘭西業務地区と域外間の連結機能の強化。4)1)~3)の合理的な:道路綱配置による整備とともに、絵鞆半島における交通混雑の解消。についての検討が進められ室蘭環状線配置構想が都市プランの中に定着し、その一環として昭和55年度室蘭新道(36号)が完成し、また室蘭北部環状線(道々室蘭環状線)が完成の段階に至っており、白鳥新道も昭和56年度事業着工のはこびとなったが、白鳥新道は路線の性格からみて特殊なケースであり、また湾口を跨ぐ白鳥大橋の計画も全国でも数少ない長大橋の一つであることから、これらの調査計画概要ついて報告する。 |