国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所

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 水循環を考慮した湿原保全の可能性-サロベツ湿原の解析例-

作成年度 2003年度
論文名 水循環を考慮した湿原保全の可能性-サロベツ湿原の解析例-
論文名(和訳)
論文副題 平成15年度(河-15)
発表会 平成15年度技術研究発表会
誌名(No./号数) 平成15年度技術研究発表会
発表年月日 2004/02/01
所属研究室/機関名 著者名(英名)
羽山早織
中津川誠
抄録
北海道を代表する湿原の一つにサロベツ湿原がある。この広大で豊かな生態系を育む湿原はいくつかの自然的要因と人為的要因によって存亡の危機に立たされている。特に、当該地域においてはササ地の拡大による湿原固有の植生の喪失が懸念されており、主たる原因として地下水位の低下が指摘されている。したがって、この問題を考えるには湿原全体の水循環と地下水の状況を把握する必要がある。本報告では、湿原植生と地下水の変化についての以下のような検討結果を示す。(1)高解像度のIKONOS画像と空中写真を用いて過去約20年にわたる植生判読をおこない、感覚的によく言われる「ササが侵入している」実態を定量的に示した。(2)前年度報告した「長期熱・水収支モデル」などで流域水収支の明確化を図り、信頼性のある地下水涵養量の推算を目指した。そのうち、数値フィルターによる地下水流出成分の分離によって「正味の地下水涵養量」を推定する手法を提案した。(3)地下水の低下と河川水位の低下がリンケージしていることに着目し、河川水位の変化に地下水位がどのように追随するかを上記手法によって分析した。湿原の保全には流域全体を見据えた総合的な対策が必要である。そのうち、本報告で提案した方法論や結果は、河川(サロベツ川)水位のコントロールによって地下水の影響がどのように現れるか評価することに役立つと考えられる。
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