平成12年度に「北海道道路緑化基本計画」が策定され、道路緑化はこれまでの草本による緑化ではなく樹木の植栽を主体とした緑化として進められることになった。法面の多くも基本的には木本緑化によるものとなっていくと考えられることから、これまでの事例を整理し、木本緑化技術を確立する必要性が出てきている。国営滝野すずらん丘陵公園(以下、滝野公園)では、公園整備着手時から、新たに発生する法面については木本緑化によって樹林化を図ってきた。基本的には、本来滝野に自生していた樹種を選定、植栽し、自然景観に近づけることを意図してきた。これらの樹種は、林業では一般に取り扱わないことが多く、このために何年経過するとどの程度のサイズになるかなどの基礎的なデータが十分に把握されてこなかった。このため法面に造成した樹林についてはまだ管理方法が確定しておらず、現在は植栽時の密度のまま経過している。現在、これらの樹林の管理方法を確立するために、樹林についての基礎的な調査を実施しているところである。本報告では、今後の法面の木本緑化に資することを目的に、法面での樹木の成長に関する基礎的なデータとともに、切土法面と盛土法面とで見られた植栽木の成長形態の違いについて述べる。 |