「CALS/EC」は、建設における計画・調査・設計・施工・維持管理といった各段階において発生する情報を一定の標準に基づいて電子的に作成し、それを各段階間で受け渡し、品質の確保やデータの再利用による効率化およびコスト縮減を図る取り組みである。国土交通省(旧建設省)では、平成8年4月に建設CALS/ECの整備の方向性を示す「建設CALS/EC整備基本構想」、平成9年6月に具体的な実施内容を明らかにした「建設CALS/ECアクションプログラム」、平成10年10月に「建設CALS/ECアクションプログラム(詳細版)」を策定して、それぞれの機関が検討・整備する事項を明らかにした。北海道開発局では、平成10年度から独自に「諸手続の電子化」により電子納品の試行を開始していたが、平成13年8月に、公共事業の調査・計画、入札、施工及び管理の各段階で発生する各種情報の電子化と、各担当部局間及び受発注者間の効率的な情報の交換・共有・連携の環境を創出する「公共事業支援統合情報システム」を構築するため、北海道開発局 CALS/EC推進本部(本部長:北海道開発局長)を設置し、平成13年12月に、北海道におけるCALS/ECの具体的スケジュールと実施内容の発表を行った。これに先駆けて、室蘭道路事務所では、平成12年度から以下の組織図に示す「室蘭道路事務所CALS/EC検討会」を設置し、「室蘭道路事務所CALS/EC実証フィールド実験」(以下、「CALS実証実験」という)を開始している。本稿は、この室蘭道路事務所CALS実証実験で取り組んでいる受発注者間の情報共有手法について、最終年度(平成15年度)実施状況を報告するものである。 |