成熟期を迎えた我が国は、これまでの大量生産・大量消費・大量廃棄の時代から、リサイクルによる循環型経済社会への転換が急務となっている。このような背景から、我が国は「廃棄物の減量その他その適正な処理に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な方針」(平成13年5月)を定め、平成22年度までに一般廃棄物のリサイクル率を24%(平成9年度末11%)、産業廃棄物のそれを47%(同41%)に引き上げることを目標にした。このため、これまで廃棄物として取扱われていたものを「循環資源」として再生するため、低廉で効率的な処理システムの構築が必要となっている。これを受けて国土交通省港湾局では、港湾を中心とした臨海部において、物流機能の集積及び広大な用地確保の優位性により、リサイクル産業の集積により全国規模で広域的な循環資源の処理を可能とするために、静脈物流拠点港(リサイクルポート)を指定し、循環型社会の構築するための各種の取組みを始めている。本報告では、北海道のリサイクルポートでの先進的事例として、プラスチック、木くず、鉄くずに関する取組みを整理するとともに、静脈物流システムの事業化推進のため、これら循環資源に関する発生量、処理状況及び今後の問題点等について検討し、臨海部における静脈物流拠点構築のために必要な施策について考察するものである。 |