近年、土壌汚染問題や地下水汚染問題は様々な形で顕在化している。この様な状況から様々な取り組みがなされ、平成15年2月15日には「土壌汚染対策法」が施行されたところである。建設工事など公共事業においても、土壌汚染や、地下水汚染への関わりは例外ではなく、汚染に遭遇した場合は適切な対応が求められる。これまで建設工事などで土壌汚染や、地下水汚染に遭遇した場合は「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」を参考に調査・対策を行うのが一般的であったが、「土壌汚染対策法」が施行された現在は同法に基づく調査・対策が必要である。平成12年3月、有珠山噴火により一般国道230号が被災し、現況復旧が困難なことから、別線で復旧ルート約4.6kmを計画し、平成14年度から工事を実施してきた。復旧ルートの周辺地山には工事着工前の調査結果から、自然的原因により土壌環境基準を超過する重金属類が確認されている。自然的原因による環境基準の超過は「土壌汚染対策法」の対象とはならない。しかし、トンネル工事のように掘削ズリを外部へ搬出するケースでは環境基準を超過する土砂の適切な措置が望まれており、当工事では法に準拠した調査・対策を実施している。本報告は一般国道230号復旧工事で遭遇した自然的原因により土壌環境基準を超過する重金属類への対応手法を報告するものである。 |