現在、全国で高規格幹線道路の整備が進められており、特に北海道のような広域分散型の地域構造を有する地域では、高速走行が可能な高規格幹線道路の整備は長い都市間距離を克服する施策として期待されている。北海道内でも1,825kmの高規格幹線道路が計画されているが、平成15年度3月現在、供用されている延長は約593km(約32%)に過ぎず、未だ多くの延長を残している。公共事業の効率的な執行が求められるなか、高規格幹線道路の整備にもコストの縮減が求められているところであり、現在供用中の区間でも一部用いられている片側1車線構造での整備が今後も多くの区間で進められることが予想される。しかし、片側1車線構造の高規格幹線道路では、速度が低く抑えられるだけでなく、センターポールにより簡易に分離されている区間では対向車との衝突の不安を感じているドライバーが多く、対向車線への逸脱を防止するガードレール付きの中央分離帯を設置した片側1車線の高規格幹線道路の整備が検討されている。また、北海道の様な多雪地帯の片側1車線道路では冬期の除雪作業の際に通行規制が必要となり、特に運搬排雪の作業時には一時通行止を行う場合もあり、利用者への影響も大きなものとなっている。そこで、現在、北海道の地域特性に相応しい高規格幹線道路の道路構造の検討の一環として、除雪作業時の走行性について検証するため、片側1車線の高規格幹線道路における除雪作業の場面を再現し、走行車両への影響を把握する試験を行った。本報はその試験の概要と結果について報告するものである。 |